「キングスナイト」ファミコンゲーム紹介第19回目

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 ゲームのジャンルというのは色々なものがありますね。

 アクション、格闘、シューティング、シミュレーション、RPGなどなど。

 ゲームによってはアクションRPGなんて複数のジャンルを組み合わせたようなものがありますが、スクウェアさんが発売したこのゲームのジャンルは「フォーメーションRPG」

 このゲームを知らない人は、一体フォーメーションRPGとはどんなものなのか予想出来ずワクワクしますよね! プレイしてみると、きっと驚かれることでしょう!

 

カセット表面です。緑色のカセットは意外と少ないと思います。ゲゲゲの鬼太郎とか、3年のけいさんゲームくらいしかパッと思いつきませんでした。後はスポーツ系のゲームなんかに多いですかね。

 

 「キングスナイト」は1986年9月18日に株式会社スクウェアさんより発売されたフォーメーションRPGです。

 スクウェアさんと言えばRPG、というのは周知のとおりだと思います。ですが、このゲームが発売された時点では、スクウェアさんの看板タイトルでもある「ファイナルファンタジー」は発売しておりません。ファイナルファンタジー自体は翌年の1987年に発売しています。

 なのでスクウェアさんが如何にRPGにこだわっていたか、というものが垣間見えるような感じがしますね! ……いや、たまたまですかね。

 そういえばシューティングゲームの「頭脳戦艦ガル」もジャンルはRPGでしたね。当時はRPGと付ければプレイヤーが興味を引かれた時代だった、とかなのでしょうか。

 ……なんでこんな話をしているかと言うと、それは後述とさせていただきます。

 

 

 ストーリー

4人の勇者達が集い、ドラゴンに攫われてしまったお姫様を救出に向かいます。多分こんな感じの王道ストーリーです。良いですね。

 では、このゲームに登場する操作キャラクターを紹介します。

 

 ナイト『レイジャック』です。

 白銀の全身鎧を着こんでいるようですが、カセットの表面を見る限りレイジャックと思しきキャラは金色っぽい鎧を着ているのですよね。僕がプレイした経験上、ゲーム内で装備を整えれば金色になる、という事はありませんでした。

 どうやら中の人は勇敢な少年だそうで、姫様が攫われたと聞いて姫様救出に名乗りを上げた人物だそうです。勇者の素質は十分ですね。

 

 ウィザード『カリバ』です。

 やはり魔術師と言えば思い描くのはこんなキャラ像ですよね! 白ひげを生やしたお爺さんで、自分の背丈ほどもある杖を持っているのです。全身白のローブっぽいのを着ているところまでくると、思い浮かべるのは指輪物語。いや、作品が変わってしまうので語るのはこの辺までにしておきましょうか。

 

 モンスター『バルーサ』です。

 見た目は恐竜ですね。人間側の味方という事は「やめて! ぼくは悪いモンスターじゃないよ!」という感じのキャラクターでしょうか。いいですね。こういう、モンスターが実は良い奴というのはRPG感ありますよね。

 ちなみにステージ3でゲームオーバー時にはバルーサ死亡みたいな文章と共にこのキャラクター画像が表示されます。なにわろてんねん。

 

 盗賊『トビー』です。

 男の子らしいです。スカートっぽいのを履いているように見える為、見た目は完全に男の娘ですね。時代の先取りしているキャラデザインです。メインカラーが赤なのもヒロイン感があります。

 しかし職業は盗賊。悪い金持ちから金品を盗んで庶民に配るような義賊、なんて情報はありませんでしたから、悪い盗賊かもしれません。でも姫様救出に向かう勇者の一人ですから、良い盗賊かもしれません。どっちなのでしょうか? 大事な部分です。

 ちなみにトビーもゲームオーバー時に上記のキャラクター画像が表示されます。なにわろとんねん。

 

 操作方法

 十字キー …… 8方向に移動できます。

 Aボタン …… 攻撃(ショット)

 Bボタン …… 魔法を使う【5ステージ】のみ

  

 RPGなのに、まるでアクションゲームとかシューティングみたいな操作方法ですね。

 ……と、このゲームの事を知らない方の為にネタバレしないよう頑なにフォーメーションRPG感を崩さないようにしてきましたが、そろそろ限界の様です。まあキングスナイトに興味を持たれた方がこの記事を読んでいる時点で、恐らくほとんどの方は知っているでしょうが……。

 正確にはこのゲームのジャンルはフォーメーションRPGではなく、シューティングと言った方が正解でしょう。

 ですがこのゲームにはフォーメーションという言葉にふさわしい場面があります。なのでジャンルは『フォーメーションシューティング』こそ正しいものかと。これならば全国800万人のキングスナイトファンが納得のもと大きく首を縦に振るに違いありません。

 

 システム

 このゲームはライフ制の縦スクロールシューティングで、全5ステージ構成です。

 1~4ステージでは各勇者を一人操作して進み、最終ステージである5面では生き残った勇者全員が集まって進んでいき、最後に待ち受ける悪のドラゴンを倒せば見事クリアとなりエンディングを迎えます。

 上記の文章の中で『生き残った勇者』と書いていますが、実はこのゲーム、1~4ステージで各勇者が死亡してしまってもそのまま進んでいきます。当時のファミコンゲームとしては面白い試みですよね。

 しかし残念ながら、最終ステージのクリアには『勇者が4人全員生存していること』が必須条件の一つなので、各ステージで勇者が死んでしまった時点でやり直し確定なのですね。

 ですがコンティニューもありますので(やり直したいステージを個別に選べる)、親切な設計となっています。もちろんレトロゲーとしての矜持、知らないとクリアが難しい要素もあるのですが……。いやそもそものゲーム難易度が高い……。

 

 ゲーム画面としてはこんな感じです。木や岩のような障害物はAボタンのショットで破壊していく事が出来ます。画面は上にスクロールしていきますが、画面下で障害物に挟まれると圧死します。即死です。

 ショットが当たるとこんな感じで岩壁を壊していく事が出来ます。障害物の中には色々なアイテムが隠れているので、積極的にガンガン壊していく事になります。

 こんな感じでアイテムが出現します。

 敵が出現する場合も多くあります。

 

 アイテム紹介

 ここでたくさんあるアイテムの紹介をさせていただきます。

 左がHPアップ(回復)、右がHPダウン(ダメージ)です。

 一番よく見るアイテムです。そこらじゅうにポロポロ出現します。HPダウンに囲まれて違うアイテムが出現したりと嫌がらせみたいな置き方をされている場面もあります。

 自分のHPがほとんどない時にHPダウンを取得すると死亡になります。

 左からウェポン(攻撃力アップ)、シールド(防御力アップ)、スピード(スピードアップ)、ジャンプ(ジャンプ力アップ)です。

 主人公のショットパワーはウェポンアイテムを取得していくごとにパワーアップしていきます。

レイジャックのショット例です。

 左がゲーム開始時のショット。画面上に1発しか撃てないので、効率よく障害物を破壊していくには密着を心がけるようにすると良いですね。

 真ん中が1段階パワーアップしたショット。この状態では画面上に2発撃てるようになります。

 更にパワーアップすると、一発のショットで障害物を2個破壊できるようになり、恐らく攻撃力も上がっている? のではないかなと思います。

 ジャンプ力アップに関しては、このゲームではジャンプボタンがありません。ではジャンプとは何かというと、岩のような障害物等にに主人公をぶつけながらその方向に移動し続けると、主人公はジャンプして岩の上に乗り上げる行動を取ります。

 岩に乗り上げるとそのまま移動でき、端に移動すると降ります。

 ジャンプ力アップを取ると、そのジャンプするまで方向キーを入れっぱなしにする時間が短縮していく事になります。この乗り上げの行動は基本的にはあまりやらないと思いますが、例えば主人公のショットは正面にしか撃てませんから、壊し損ねた岩の先に壊したい障害物がある時なんかに乗り上げて移動する、ような場合に行う事になります。

 

 魔法アイテム

 大事な事なので赤文字にしました。

 このアイテム群は1ステージ(1~4)につき各種類1個ずつ隠されています。

 魔法アイテムは、4つ集める事でそのアイテムに対応した勇者がステージ5にて1度だけ魔法を使用する事が可能になります。Bボタンは数少ない魔法使用の時だけに割かれた貴重なボタンです。大事に押しましょう。

 このステージ5で使用する魔法ですが……。

 左から2番目の魔法アイテム。これはトビーの魔法用のアイテムですが、これが使用できないと詰みます。

 もちろん他の魔法もステージを攻略する上で必須とも思える能力を秘めているのですが、無くてもなんとかクリアは出来るみたいです。

 しかしトビーの魔法は、いわゆる『破壊不能の壁を破壊する』という能力なのです。ステージ5では、この破壊不能の壁に行く手を遮られるシーンが存在します。故に、トビーの魔法が使えないとその壁に画面スクロールで圧殺されてしまうのです。

 実はこのシーンこそ、このキングスナイトがノーヒントだと難しいとされる場面なのですね。殆どのプレイヤーが抜け道が分からないままで圧殺されまくってきたかと思います。もちろん、子供時代の僕も例に漏れず圧殺されました。というか、魔法の存在自体知らなかったというか……。

 

 アイテムの他にも、地下に進む階段も存在します。

 地下ステージでは魔法アイテムが隠されているので隠し階段を見つけたら必ず行った方が良いです。

 地下の最深部には中ボスと思しき敵が存在します。基本的には階段に触れる事で地上ステージに戻りますが、この中ボスを倒さないと階段に触れても地上に戻る事は出来ません。なので必ず倒す必要があります。お墓は破壊可能な障害物です。

 

 そして、ステージ5。このステージでは、今までの勇者が4人集まって悪のドラゴンが潜む城の攻略に向かいます。

 そして遂にフォーメーションRPGという言葉にふさわしい姿を拝むことが出来ます。いいですね!

 ですが、攻撃出来るのは先頭に立つキャラクターのみ。しかし当たり判定は4キャラ全員分です。HPも共有なので、正面にしか撃てないクソ弱ショットでクソデカ当たり判定の自キャラを縦横大きく動かしながら攻略していく事になります。難しいです。

 ステージ5でしか出現しないアイテムがあります。

 これはフォーメーションを変更するアイテム群です。

 この90度カーブの矢印は、フォーメーションを組んでいる勇者たちの配置を矢印方向にひとつだけずらすアイテムです。

 つまり左向き矢印のアイテムを取得すると、反時計周りに配置を変える事になります。

 右向き矢印アイテムを取得した場合は、これと逆の動きになりますね。

 

 この180度カーブの矢印は、その方向にランダムで1~3人分配置を動かすアイテムです。なので先頭にしたいキャラクターを選ぶかは3分の1の確率です。

 

 魔法アイテムの説明でトビーの魔法が無いと破壊不能の壁を破壊出来なくて詰む、と説明しましたが、魔法を使いたい時はフォーメーションの先頭のキャラでないと魔法を使う事は出来ません。

 つまり、破壊不能の壁に遮られるシーン時に先頭がトビーでないと詰みます。なので計画的にフォーメーションを組み替えていく必要があります。

 

 後はステージ5にはこんなアイテムもあります。

 聖剣フィクサーです。ステージ5の道中に無造作に置かれています。計3本です。

 ラスボスのドラゴンを撃破する為に必要なもので、これを3本集めないと詰みます。まあこの剣に関しては隠されているわけでもないので楽にそろえる事が出来ると思います。

 

 おわりに

 巷ではクソゲー扱いされているゲームですが、僕は悪くないゲームだと思っています。ショットで障害物をガシガシ壊していくのはそれなりに爽快感がありますし、コンティニューも親切設計でやり直ししやすい点もグッドです。ステージ5は難しいものの、4人の勇者が魔法を駆使して突き進んでいく姿は良いものですね。

 魔法を使えるタイミング、特にトビーの魔法に関してゲーム内でノーヒントなのは許されませんが、そもそもゲームの説明書に『モノリス(破壊不能の壁)を破壊する魔法』という記述があるみたいなのですよね。

 僕がこのゲームを入手した時は裸だったので説明書もなく事前知識もなしで攻略しようとしましたから、そのせいですね。説明書をしっかり読めばなんとなく察せるものだと思いますし。

 

 という所でファミコンソフト「キングスナイト」の紹介を終えたいと思います。

 ここまで読んでくださってありがとうございました。

 

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