「スペランカー」ファミコンゲーム紹介第24回目

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 テレビゲーム史上、最弱として非常に有名な主人公のゲームです。

 もちろん、どこかのゲームではスペランカーの主人公よりも最弱なキャラクターは存在するかもしれませんが、最弱な主人公と言えば僕も含め皆さんがぱっと思いつくのはやはりこのスペランカーではないでしょうか。

 下り道でジャンプしたら足を挫いて死ぬとか、自分の背の高さくらいの段差を降りると足を挫いて死ぬとか、死因が貧弱すぎてネタにされまくりのことと思います。

 しかし、その死にやすさがゲームの特徴、面白さにも繋がったようで、一躍有名になった主人公はこのソフトを販売されたアイレムさんの看板キャラクターとして公式ホームページで4コマ漫画になったり、果てはアニメになったりと大活躍でした。

 累計40万本以上売れた大ヒット作で、プレイしてみると意外と硬派なアクションゲームで当時相当人気なゲームとして売れた理由も頷けますね。

 

スペランカーのカセット表面です。特徴的なのは上部のiremロゴの下にある赤いポッチでしょうか。これはカセットをファミコンに差して電源を入れると赤く発光するのです。
カセット裏面です。ゲームの簡単な説明文と共にゲーム画像が載っています。

 スペランカーは元々1983年にアメリカのマイクロ・グラフィック・イメージさんが開発したもので、アタリ8ビットコンピュータと言われる機種のゲームとして発売されました。

 その後1984年にブローダーバンドさんからコモドール64というゲーム機にも移植され、1985年には日本のゲームメーカーであるアイレムさんがライセンスを取得し、ファミコン版として移植し販売したのが本作です。

 スペランカーは難しいと評判なわけですが、これはファミコン版の開発をされたアイレムさんが良かれと思って施した調整だそうです。

 元々はそこまで難しくなかった作品だったようですが、発売当時の日本のゲームプレイヤー層はチャレンジ精神が旺盛な方が多かったようで、そういった方々に楽しんでもらえるように調整してたら結果的に難しくなってしまったとのことでした。むしろ難しい方が話題になるのではないか、という考えがアイレムさんの中にあり、このような死にやすいゲームとして完成したようです。

 難しくした方が話題になる、というのは完全に当てはまってますね。先見の明があるというのはまさにこのこと、アイレムさんは素晴らしいゲームメーカーさんですね。

  

 ストーリー(ゲームの目的)

 ゲームの説明書に書かれているものを記述させていただきます。

『地底深く入りくんだ洞窟には、計り知れない高価な宝物が眠っている。しかし君と宝物のあいだには、不気味な幽霊、こうもり、毒ガス、落とし穴など数えきれない危険がいっぱい。君はこれらをぶじクリアして、次の通路に進むためのカギを見つけだし、伝説のピラミッドへたどりつけ。そこには膨大な宝物が隠されている。さあ、スリルとアクションいっぱいのどうくつ探検旅行のはじまりだ!!』

 要は主人公を操作し、地底深くに眠っているピラミッド(ゴール地点)に辿り着ければゲームクリアとなります。コンティニューはありません。クリア時間は大体10分程度です。

 

 操作方法

 十字キー …… 移動

 Aボタン …… ジャンプ

 Bボタン …… エネルギーガンを使用

 ↑+B …… フラッシュを使用(消費アイテム)

 ↓+B …… 爆弾を使用(消費アイテム)

  

 登場キャラクター

 主人公の探検家です。

 現在では、よく『先生』という愛称で親しまれている彼ですが、恐らく名前は特にありません。

 先生という名前は、後にアイレムさんの公式ホームページで連載していた『スペランカー先生』という漫画からきていると思われます。その漫画では学校の先生をしていました。もちろん学校ではよく死ぬと評判です。

 さて、ゲームでは最弱の主人公という不名誉な称号を持つ彼ですが、有名な貧弱エピソードで言えばやはり『坂道でジャンプすると死亡』でしょうか。

 ネットでは、よく「膝の高さから落ちると死ぬ」みたいなことが書かれていたりするんですが、流石にそこまで貧弱ではありません。

 主人公が死ぬ高さは、ゲーム内のドットで数えると15ドット以上の高さから落ちると死んでしまうという設定になっています。ちなみに主人公の身長は16ドットです。

 リアルで考えると、身長160cmの人であれば150cmの高さから落ちると死ぬ計算でしょうか。(ちゃんと着地姿勢をとれていれば)リアルでは死ぬとはいかないものの、骨折でもしてしまうかもしれない絶妙な高さですから、意外とリアリティのある高さ設定になっていますね。

 この15ドットという設定が、下り坂ではジャンプした時に跳躍点と着地点で15ドット差が発生してしまうため、死に至ってしまうわけですね。なんということでしょう。

 基本的には落下死がメインの彼ですが、それ以外にも死ぬ要素はたくさんあります。

 小岩から噴出される毒ガスです。これに触れることで死にます。毒ガスを噴出しない小岩もあります。

 この小岩はジャンプで飛び越えられるわけですが、踏んづける、もしくは触れてしまうと主人公はノックバックするような動きをします。穴の近くに小岩があるところは慎重に進めないと落下死を招く恐れがあります。

 こういった場所で小岩に触れてしまうとノックバックで穴に落ちてしまう、イヤらしい配置になっているところも多くあります。

 画面上部には主人公のエネルギーゲージが表示されています。これは時間経過で徐々に右から左へエネルギーが減っていき、MINまで矢印のようなマークが到達してしまうとミスになります。昔、このゲージの名称を知らなかった僕は、このゲージの事を『酸素ゲージ』と呼んでました。

 このみょんみょん動く物体がエネルギーアイテムです。取得するとエネルギーゲージが最大まで回復します。スペランカーでは来た道を戻るような進め方をする場面がありますから、そうした時には行きは取らずに帰りに取るようにするとイイ感じですね。

 主人公はエネルギーを一定量消費して、エネルギーガンを撃つことが出来ます。

 この行動は、時折現れるオバケを退治する時にだけ有効な行動です。

 

 オバケ

 オバケは地形を貫通しながらゆっくりと主人公に近づいてきます。オバケ出現時は専用BGMが流れますから、オバケの出現はすぐに察知できます。オバケに触れるともちろん死にます。

 主人公のエネルギーガンは見た目は全然弾とか飛んでるようには見えないのですが、オバケとの距離が一定以内の時に放つと自動で当たる判定になっています。縦でも横でも一定の距離内であればどこでも当たるようになっています。

 オバケはエネルギーガンに撃たれても完全に倒されるまで数秒間あり、その間も主人公に近づいてくる動きをするため、オバケが完全に倒される前に触れてしまうと死んでしまいます。

 

 コウモリ

 コウモリがいる場所は決まっており、一定場所で左右にフラフラと動きながら適当に大量のフン攻撃をばら撒いています。フンに触れるともちろん死亡です。

 コウモリは主人公がジャンプしても届かないような上空に配置されており、フラッシュアイテムでのみ倒すことが可能です。しかしフラッシュの効果中のみしか消えないため、効果が終わればすぐに復活しフンをばら撒きます。

 ゲームの進行上、コウモリの下を通らなければいけない事が多いわけですが、フン攻撃の弾幕は結構厚いので毎回フラッシュアイテムを使用して倒した方が無難です。フラッシュアイテムは余分に使っても余るくらい存在しているので、潤沢に使っても問題ありません。

 

 アイテム

 スペランカーに登場する多数のアイテムを紹介します。

 このアイテムは重要なアイテム達です。左から順に説明します。

 ・ エネルギーです。取得するとエネルギーゲージが最大まで回復します。

 ・ 爆弾です。取得することで十字キー↓+Bボタンで爆弾を設置する事が出来るようになります。爆弾は設置してから2秒ほどで爆発し、その際に近くにいると爆発に巻き込まれてミスになります。

 道中には、このような大岩が進路を塞いでいる場合があるので、大岩の近くに爆弾を設置して大岩を破壊する必要があります。

 

 ・ フラッシュアイテムです。取得する事で十字キー↑+Bボタンでフラッシュを使用することが出来ます。

 主人公の真上に弾を射出し、花火のように爆発します。花火が出ている間はコウモリが消えます。画像ではコウモリに直で当ててるような感じになってしまっていますが、当てなくても大丈夫です。花火はそのままゆっくりと地表に落ちてきますので、それに主人公が触れるともれなくミスになります。

 ・ カギです。これは道中で各カギの色に対応した扉を開けるために使用します。ゲームクリアにはたぶんすべてのカギを使用することになるはずなので、見つけたら必ず取得していくようにしましょう。

 

 この3つのアイテムは点数アイテムなので取得しなくても問題ありません。

 ・ ドル袋です。500点。

 ・ コインです。1000点。普通ドル袋の方が点数高いイメージありますけどね、スペランカーではなぜかコイン一枚の方がドル袋よりも点数が上です。

 ・ ダイヤモンドです。壁の中に隠されているアイテムです。一部の壁は爆弾で壊せるようになっており、そこに隠されています。この壁は壊せそうだな……と感じて爆弾を置いてみると、案外正解する分かりやすい場所が多いです。

 

 他にも、一部の場所でジャンプしたりすると隠しアイテムが出現します。中には1UPアイテムや、取得すると一定時間倍速で動けるようになるアイテム、無敵アイテム(落下によるミスには無敵ではありません)、一定時間取得する得点が2倍になるアイテムなんかもあったりします。

 

 おわりに

 このゲームは、よくスーパーマリオと比較されてきたイメージがあります。マリオはジャンプ力も高く、どんな高い所から落ちても平気というタフなヒゲオヤジですが、それに比べてスペランカー先生のなんたる非力な事か。しかし、その貧弱さのおかげで知名度は高く、最弱主人公の第一人者としての確固たる地位を確立しているのも事実です。

 今回紹介したのはファミコン版ですが、他にもゲームセンター版のスペランカーも存在しています。ゲーセン版ではファミコン版よりも主人公は頑丈で、高い所から落ちても死なず、エネルギーガンもしっかりとした弾を射出する強力なものとなっています。

 その後1987年にはファミコンでスペランカー2が登場したり、最近では『みんなでスペランカー』『元祖みんなでスペランカー』というタイトルでスペランカーシリーズ最新作が発売されるほどです。今現在でもファンから愛され続けている作品なのですね。

 今からスペランカーというゲームを初めて触ってみたい、という方はファミコン版をプレイするのではなく『みんなでスペランカーZ』というゲームをプレイすることをおすすめします。僕はPS4版しか知りませんが、こちらは基本プレイ無料のゲームとして配信中なので、無料で遊べるに越したことはないですね。操作感覚も殆ど変わらないはずなので、あえてファミコン版をプレイしたい、という方以外はそちらのほうがおすすめです。

 

 以上でファミコン版スペランカーの紹介を終えたいと思います。

 ここまで読んでくださってありがとうございました。

 

 

 おまけ

 

と、いうわけで今日は洞窟へ宝探しに来ましたわ!

わーい! 冒険みたいで楽しそう!

こらこらメイ、あんまりはしゃいでは危ないのですわ! もしも足を踏み外して穴に転落してしまっては、タダでは済みませんわよ!

だいじょうぶだよ~! それっ!

ほら、おねえちゃんも早く~!

まったく、しょうがない子ですわねえ、それっ!

ふう、穴は大した距離ではありませんが、飛び越える時は少々ヒヤヒヤしますわねえ……(ドキドキ

おねえちゃん! こっちにお宝があるよ!

えっ! どこですの!?

んま! ドル袋ですわ! これを持ち帰ればたくさんのゲームを購入する足しになりますわね! うひひ!

それもいいけど、メイはもっと奥まで進んでみたいなー! あはは!

あっ、こら! 一人で行っては危ないですわよ!

おねえちゃん、リフトがあるよ!

タイミングを見てちゃんと乗り込むんですわよ! 崖下までそれなりに距離はありますから、万が一落ちてしまったら危ないですわ!

 そして二人はロープも超えて、さらに奥へと進んだ!

あっ! またドル袋があるよ!

いいですわね! 奥まで進んだ甲斐がありましたわ! さて、ドル袋を2つも手に入れたことですし、そろそろ地上に戻りましょうか!
……ん?

 洞窟探検を終えて帰路に着こうとした矢先、恐ろしげな奴が現れた!

ギャーッ! で、でましたわー!

お、おばけー! メイ、おばけキライー!

は、はやく! はやく奥に逃げるのですわ!

 オバケの魔の手から逃れようとした二人。しかし道の先は行き止まりとなっていた!

そ、そんな! 行き止まりだなんて、こんなのあんまりですのー!

わ~ん! おねえちゃん、なんとかしてよ~!

そ、そんなこと言われましても! 
ギャーッ! もうすぐそこまで来てますの! ヒイィー!

 シパパパパパパ!

 追い詰められた二人に救いの手を差し伸べるかのように、洞窟内に銃声がこだまする!

はっ! 幽霊が爆発四散していきますわ! 

お、奥に見える人が助けてくれたのかな?

あ、危ない所を助けていただきありがとうございますわ、あなたは……?
……え? 学校の先生をしてらっしゃるんですの? 
とにかく、ありがとうございましたわ! もう一時はどうなる事かと!

ありがとう、せんせい!
なんだか服装の色合いがマリオに似てるね! ヒーローみたいだね!

 女の子二人にヒーロー呼ばわりされて、先生は赤面しながらその場を後にした!

あっ!?
先生が足を踏み外して転落しましたわ!

せんせい!? せんせーい!

危ないですわよ先生! 先ほど助けていただいたわたくし達が言うのもなんですが、もう少し気を付けていただかないと!

 お嬢に怒られた先生は申し訳なさそうな顔をしている!

さあ、早く地上に戻ろうよ! 先生も一緒に帰ろ! 

 先生も一緒になり、3人で最初のエレベーターに向かった!

そうですわ、助けていただいたお礼に、わたくしのお屋敷で一緒にお食事でもいかがかしら?
うちには料理の得意な執事も居ますから、きっとお口に合うと思いますわ!

わーい、そうしよう先生! おにいちゃんの作る料理はおいしいんだよ!

 食事に誘われた先生は嬉しそうだ!

あっ、先生、よそ見をしては――

アッーー!

せんせい!? せんせーい!

 すぐに死んでしまう先生であったが復活も早いので、無事にみんなでご飯を食べることができましたとさ。

 

 ではこれで終わりです。

 最後まで読んでくださってありがとうございました。

  

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