「忍者ハットリくん 忍者は修行でござる」ファミコンゲーム紹介第22回目
この忍者ハットリくんというゲームは売上本数150万本以上というもの凄いゲームです。これは漫画原作のファミコンゲームの中で売り上げ第1位という快挙であり、ゲーム史上でも実にゲームボーイソフト『遊戯王デュエルモンスターズ』が発売される12年後まで破られることはなかったとか。
ゲーム内容としても面白いソフトですが、これがまた結構難易度が高く、僕が子供の頃にプレイしたときは難しくてクリアできませんでした。
今回、忍者ハットリくんのゲームを紹介するにあたり、ハットリくんの世界観をより認識するために1981年に放映された忍者ハットリくんのアニメを視聴することを決意、さっそく見始めました。アニメ本編は1話あたり8分程度の短いものだったのですが、全694話というとんでもない話数である事を知り、取り敢えず50話程度で視聴を一旦終了し、こうしてゲーム紹介記事を書かせていただいております。なのでハットリくん知識ニワカが書く記事ですがご了承ください。
アニメはすごく面白かったです! こうしてファミコンゲームの紹介をしているところですが、正直ゲームをプレイするよりもハットリくんのアニメを視聴することをオススメします!(オイオイ……
『忍者ハットリくん 忍者は修行でござる』は1986年3月5日にハドソンさんより発売された横スクロールアクションゲームです。
当時大人気であった忍者ハットリくんのゲーム化作品です。その人気もあって売り上げ本数150万本以上という驚異的な数字を出せたのだと思います。
しかしゲーム内容としては慣性のある独特な動きや、主人公であるハットリくんの足が遅い事、即死要素がふんだんに存在している事などから高難易度と言わざるを得ないものとなっています。
ですが全12種類の忍術を適材適所で使いこなすことが出来れば難しいテクニックを必要としなくなる場面は多々あり、知識がものをいうゲームと言えるでしょう。
僕がこのゲームを初めてプレイした子供の時は、アニメで忍者ハットリくんという作品がある、という事を知っている程度の知識であり、内容については全くもって理解していませんでした。そのため、このゲームのカセット表面のイラスト左側の赤い忍装束の忍者『ハットリシンゾウ』に関しては名前はおろか女の子だと思っていました。右側の犬のキャラクター『獅子丸』についても、ゲーム本編で出てくる敵『白猫斎』というキャラクターがいるのですが、そいつが獅子丸だと思っていました。なんで味方っぽいのに敵キャラクターなんだろう?とか思ってしまっていたり。
やはり原作アリのゲームを楽しむには、その作品の知識があった方が楽しめますね!
ストーリー
ゲームの説明書のストーリーを記述させていただきます。
ハットリくん「せっ者、伊賀忍者ハットリカンゾウでござる。忍者の世界もきびしく、試験があるのでござる。ニンニン!」
伊賀忍者「修業の里」で忍法修業にはげむ我らがハットリくん。
忍法の極意をしるす巻物を見つけ、いろんな忍法を使えるようがんばっている。
ハットリくんの修業を知ったケムマキはじゃまをしようと、メカ忍軍団や甲賀忍者らを引連れてきた。
さあ、きみの出番。ハットリくんになって、忍者段位を必ずや獲得してくれ。弟のシンゾウ・獅子丸も強い味方だ。
操作方法
十字キー …… 移動
Bボタン …… 忍術を使う
Aボタン …… ジャンプ
セレクトボタン …… 忍術を選択する
システム
主人公のハットリくんを操作して、ステージの最後にある鳥居のようなところまで行ければステージクリアとなります。
全16ステージ存在し、最終ステージクリアすることで簡単なエンディングと共に難易度が上昇した2週目が始まります。本作はループゲームです。
タイトル画面からはゲームの難易度変更が可能で、十字キー左右でレベル1~4を選択できます。レベルが高いほど敵の出現数が増えたり、敵の攻撃が苛烈になっていきます。
キャラクター紹介
・ハットリくん(ハットリカンゾウ)
本作の主人公です。
伊賀忍者です。アニメでは修行の一環として東京にやってきて、たまたま押し掛けた三葉ケン一の家に居候することになりました。ケン一は『どらえもん』でいうのび太君みたいなキャラクターです。本作ではケン一は登場しません。
超人的な身体能力を身につけており、怠け者のケン一を諭したり、しっかりと勉強させようとしたりと保護者のような振る舞いを見せます。アニメのハットリくんは非常に人格者であり、見た目はギャグキャラのようではありますがカッコよさもあり、ケン一が欲しいといったプラモデルを自身がバイトしお金を貯めてプレゼントするなど、もの凄く良いやつです。
しかしゲーム本編での初期能力は貧弱であり、後述する忍法をうまく駆使していかないとすぐにゲームオーバーになってしまうほどの身体能力の低さを感じさせます。
体力は9ありますが、一度ダメージを受けるとその場で動けなくなってしまう事、動けるようになったと同時に当たり判定も復活するなどで連続してダメージを受け続ける状況が発生しやすいです。敵によってはまとわりつかれてそのまま……なんてこともあります。更に敵によっては当たれば即死する厄介な敵も複数存在するため、難しいです。
Bボタンで通常攻撃の手裏剣を投げますが、初期状態では画面上に一個しか出せない事、射程距離が短い事などから他のアクションゲーム主人公と比較しても弱い部類に入るかと思います。
・ハットリシンゾウ
ハットリくんの弟の『ハットリシンゾウ』です。
ハットリくんが青い忍装束に対し、シンゾウは赤い忍装束です。そのため、僕は子供の頃は女の子だと思っていました。ゲーム本編では12種類の忍術のひとつ『涙パワーの術』を使用した際に登場します。
アニメでは忍者としては未熟者という事で、手裏剣も竹製の物しか使用を認められていません。泣き虫な性格で、事あるごとに泣いてしまうキャラクターですが、その泣き声はまるでワギャンの超音波のように凄まじく、周囲の物を破壊したり一般人は気絶してしまうほどです。これは『涙パワーの術』という忍法で、原作でほぼ最強の技となっています。
まだまだ子供であり、おつかいもロクに一人でこなせないちびっこ忍者ですが、周りから一人前と認めてほしい言動をとる事が多々あります。それがまたかわいいんですよ。
ゲーム本編ではハットリくんの使用する忍術のひとつで、使用すると画面外からシンゾウが走ってきます。それに触れることで発動、画面内の敵を全て一撃で倒す事が出来ます。ゲーム内でも最強忍術のひとつです。
・獅子丸
ハットリくんのペット? の『獅子丸』です。犬種はチャウチャウです。
画像ではラリってるように見えますが、アニメでも人間の言葉を話したり超大食いであったりとギャグキャラです。
アニメ初登場時は結構犬っぽく「わん」とか「あん」とか言ってましたが、話が進むにつれて叱られたりしたときに「わりいわりい」と人間ぽく喋ったりするようになっていきます。意外と物分かりがよく、人情に厚い犬です。話によってはギャグキャラの宿命か、貧乏クジを引いたかのようにボロボロにされます。
ゲーム本編では12種類の忍術のひとつ『怒り火の玉の術』を使用した際に登場します。画面上空から降ってきた獅子丸に触れると獅子丸が体に炎を纏い、ハットリ君の2キャラ分先辺りに攻撃判定が発生するオプションのような形で装備されます。殆どの敵を倒す事が出来ますが後述する白猫斎は倒せません。装着してから15秒程で消えます。
・ケムマキ ケムゾウ
ハットリくんのライバルキャラの『ケムマキケムゾウ』です。
甲賀忍者であり、アニメハットリくんでは甲賀と伊賀は昔から争ってきたという言葉もあり、そのため伊賀忍者であるハットリくんには常に対抗意識を燃やしているキャラクターです。
アニメでは事あるごとにハットリくんに勝負を持ち掛ける彼ですが、ゲーム本編ではハットリくんに体力回復のハートを持ってくるなどのお助けキャラに。
この設定は元々ゲーム制作者の方々はケムマキを敵キャラとして作成していたようですが、原作者の藤子不二夫A先生の「ケムマキはハットリくんのライバルではあるが友達なんだ」という言葉を受けて急遽お助けキャラに変更したんだとか。
・影千代
ケムマキのペットの猫、影千代です。
影千代は主人であるケムマキに対しては従順であり、反面それ以外の人物に対しては非常にずる賢いような態度をとります。影千代という名前の由来は藤子不二夫A先生が飼っていた猫『菊千代』からきているのだとか。
ゲーム本編では敵キャラとして登場し、ハットリくんにジャンプしながらの体当たりを仕掛けてきます。影千代に触れてしまうとダメージは受けませんが、忍術を一つ奪われてしまいます。
影千代に手裏剣を当てると進行方向の反対(逆側)に軌道を変えますが、その際にもう一度手裏剣を当てるとまた反対側に軌道を変えます。そうやって何度も手裏剣を当て続け、8回連続で当てるとボーナスとして1UPします。今回調べていて初めて知りました。
・白猫斎
白猫斎です。出現時は恐ろしげな専用BGMが流れます。
アニメには登場しない、原作のみのキャラクターらしいです。甲賀の忍者猫の元締めで、影千代は白猫斎を特に恐れているのだとか。
ゲーム本編では最初に上記画像のような姿で飛び跳ねていますが、数秒後にほぼ無敵のキャラクターに変身します。
変身後は大きく飛び跳ねて、下6方向に手裏剣を投げます。非常に強い難敵です。しかし、白猫斎の放つ手裏剣は当たってもダメージは受けません。白猫斎本体の体当たり攻撃は受けると即死します。
白猫斎への有効な攻撃方法としては『涙パワーの術』です。これを使うと無敵状態の白猫斎も倒す事が出来ます。むしろこれ以外倒す方法がありません。基本的には逃げるのみです。
白猫斎が変身する前は手裏剣を8発当てると倒すことができ、その際にボーナスとして8万点を獲得することが出来ます。しかし忍術なりで動きを封じたり、前述した涙パワーの術などを使わないと倒す事は困難を極めるでしょう。
主要なキャラクターはこのくらいでしょうか。
次は通常の敵キャラを紹介します。
よく見る敵キャラ達です。
特に危険な敵キャラは右側の天狗みたいなやつとメガネをかけたオバケみたいなやつです。
天狗みたいなやつは高機動で画面内を動き回り、手裏剣をばらまいてくる厄介な敵です。そのうえ本体の体当たりを受けると即死します。
メガネのオバケみたいなやつは動きは緩慢なものの、一度体当たりを受けるとハットリくんにまとわりつくような動きをするため、ハットリくんのヒットストップが解除され当たり判定が復活した時にまた攻撃をくらい……と半即死級の攻撃をしてくる厄介な敵です。
上記以外の敵で、重要な敵を紹介します。
ロボ忍者です。ラガーマンみたいな見た目です。
こいつは手裏剣を4発当てると倒すことができ、倒すと忍術書を落とします。稀にカエルを落とすことがあり、カエルに触れると即死します。
忍術書はハットリくんが忍法を使うために必要なアイテムで、このラガーマンは積極的に倒していかないと攻略が難しくなってきます。
ちなみにラガーマンの体当たりに触れると即死です。他の敵キャラに攻撃をくらい、ハットリくんが動けなくなっているところにラガーマンに接近され悪質タックルを受けるのがよくあるやられ方です。
忍術紹介
ここでハットリくんが使える忍術の紹介をさせていただきます。
初期装備の手裏剣も合わせると全12の忍術が存在します。左からひとつひとつ紹介します。
・1番目『手裏剣』
ハットリくんの初期装備です。手裏剣が無くなることはありません。射程距離も短く、画面上に1発しか放てないので貧弱な武装です。
・2番目『影走りの術』
使用すると約2倍のスピードで移動できるようになります。非常に優秀です。ステージクリアまで効果は続きます。ミスになると効果も無くなります。
・3番目『高跳びの術』
使用すると約1.5倍のジャンプ力になります。ステージクリアまで効果は続きます。ミスになると効果も無くなります。
・4番目『水ぐもの術』
使用すると水の上を歩く事が出来るようになります。アニメのOPでも使用しているシーンがあります。このゲームはハットリくんが初期能力だと穴を飛び越えるのが難しく、ギリジャンを要求されるシーンがいくつも出てきます。そのため、水辺を見たら潔く水ぐもの術を使って水の上を歩いた方が無難です。ということで非常に優秀です。
・5番目『ハイパー手裏剣の術』
手裏剣の射程距離が画面端まで届くようになります。しかし、前述したようにハットリくんは手裏剣を画面上で1発しか放てないので弾切れを起こしやすくなる懸念があるためあまり使う機会は少ないと思います。
・6番目『金縛りの術』
使用すると敵の動きを5秒間停止させます。アニメでもハットリくんが使用し、ケムマキがケンイチに飛び蹴りをくらわせようとしたシーンで金縛りの術を使って停止させ、そのスキにケンイチがいた場所に影千代を配置し、ケムマキが誤って影千代に飛び蹴りをくらわせるシーンがありました。
敵の動きを封じますが、誤って敵にぶつかりダメージを受けてしまうとそのまま敵に乗っかる形となり連続でダメージを受け続けるような状況が発生しますので注意です。
・7番目『霧隠れの術』
ハットリくんが目と口を残して透明化し、敵のあらゆる攻撃に対して無敵になります。
約15秒間持続する優秀な忍術です。白猫斎の出現する場所などを安全に切り抜けることが出来ます。優秀です。
・8番目『雲乗りの術』
使用するとハットリくんが雲にのった状態になり、十字キーの移動で空中を飛ぶことが出来るようになります。約15秒間効果が持続します。
・9番目『涙パワーの術』
シンゾウの紹介でも説明しましたが、使用することでシンゾウが画面外から走ってきて、それに触れることで画面内の敵を全滅させる術です。無敵状態の白猫斎も倒すことが出来るので、使用するシーンとしては白猫斎くらいでしょうか。
・10番目『ムササビの術』
使用することで空中で無限に連続ジャンプすることが出来るようになります。ステージクリアまで効果は持続します。やられると効果は無くなります。
通常、ハットリくんのジャンプはこんな感じですが、ムササビの術を使用すると、
こんな感じでジャンプモーションが変わります。細かくて良いですね。
・11番目『怒り火の玉の術』
獅子丸の紹介の時に説明しましたが、術を使用することで獅子丸が画面上から降ってきて、それに触れることでハットリくんの向いている方向2キャラ分辺りに攻撃判定が発生するオプションのようなものが装備されます。持続時間は約15秒です。
・12番目『八方手裏剣の術』
使用することでハットリくんが放つ手裏剣が5方向になります。八方手裏剣という名前ですが実際は5方向です。
しかし、ファミコンの描画能力の関係か、手裏剣を一度に5方向飛ばすことはなく、大体1方向欠けた4方向に手裏剣を飛ばします。これはなぜなんでしょうね、白猫斎は一度に手裏剣を6つ飛ばしてくるのに……。
こんなところで忍術紹介を終えたいと思います。
隠しアイテム
ハットリくんには攻略に役立つ隠しアイテムが存在します。
例えば、道中で顔みたいな形をした家みたいな障害物があるのですがこの時に、例えばステージ5だと左側の目辺りで手裏剣を投げたりすると隠しアイテムで『印籠』や『太巻物』などが出現します。
印籠はステージの時間制限を最大まで回復+ハットリくんの体力を全回復し、太巻物は忍術書4つ分の効果を持つアイテムです。
得点の10の位の数字によって出現アイテムが変化し、奇数なら印籠、偶数なら太巻物のようです。
他にもある一部のポイントでジャンプすると敵を得点アイテムに変化させたり、なんと高橋名人を模した得点アイテムもあったりするようです。隠し要素は結構多いです。
隠しではないんですが、『力』というアイテムがあります。
ステージに要所要所で一度に4つ出現する果物などの得点アイテムを、4つ全て取得した際に出現するアイテムです。
取得すると体力を2回復するアイテムなのですが、実はもう一つ効果がありまして、それはハットリくんが使用する忍術の同時使用数を2→3→4→無制限と引き延ばしてくれるのです。
初期能力は忍術の同時使用数は2なので、力を取得していないうちは体力が満タンでも積極的に力を出現させて取得した方がいいようですね。
ステージクリア
ステージクリアでのボーナスとして、ゴールの鳥居からはハットリくんの父親である『ハットリジンゾウ』が出現し、一定時間ちくわをばら撒く有名なボーナスシーンがあります。
ばら撒くちくわの中には鉄アレイが混じっており、それに触れるとダメージは受けませんがヒットストップします。修行ですからね、鉄アレイくらい混ぜたっていいのです。
ちなみにちくわは獅子丸の好物で、ハットリくんの好物はハンバーガーなどのファストフードです。
おわりに
今回、紹介記事を書くために忍者ハットリくんのアニメを見たわけですが、今の時代でも通用するギャグと言いますか、視聴者を飽きさせないテンポの良い展開なんですよね。
もちろんアニメ本編の1話あたりの時間が短いため展開が早い、という事もあるかとは思いますが、それでもこの令和の時代にハットリくんのアニメを皆さんにオススメしたいと思いますね。
最近では動画視聴のサブスクなんかが流行ってて、そういったものの会員になられている方でハットリ君を見れる環境にある方は、時間があるときにでも是非数話見てみて欲しいですね。全694話視聴するのは流石に厳しいですけどね(僕も)……。
とにかく、ハットリくんは良い子なんですよ。ファミコンゲームだけでは理解出来ないハットリくんの世界観を、ハットリくんを知らない方々には是非知ってほしいですね。
ここまでファミコン版ハットリくんの紹介記事書いといて、全力でアニメの宣伝して何やってんだって感じですねw
では、これでファミコン『忍者ハットリくん 忍者は修行でござる』の紹介記事を終えたいと思います。
ちょっと今回はおまけを作る時間が無かったので、今度時間があるときに更新したいと思います。
ではここまで読んでくださってありがとうございました。