「エキサイトバイク」ファミコンゲーム紹介第10回目
「バイクゲームと言えば?」と聞かれたらファミコン世代がまず真っ先に思い浮かぶのはこの「エキサイトバイク」ではないでしょうか。
昔から今まで、車のゲームはたくさんあったと思いますけど、バイクのゲームはその半分以下くらいじゃないでしょうか。
ファミコン初期に発売されたこのゲームは、今でも通用する面白さを秘めている、と僕は思っています。
この「エキサイトバイク」は1984年11月30日に任天堂さんより発売されました。
実はこのゲーム、結構移植作品が多いんですよ。
まず、1985年に業務用アーケード作品として「VSエキサイトバイク」があります。
その後1988年にはファミコンディスクシステム向けに発売された「VSエキサイトバイク」。
プレイスタイルはガラリと変わりましたが、ニンテンドー64では「エキサイトバイク64」というこのゲームのリメイク? 的なゲームも発売されました。
2000年頃にはゲームボーイアドバンスで「ファミコンミニ」という昔のファミコンゲームを携帯機に移植するシリーズがあったのですが、そのうちのタイトルのひとつであったり、任天堂さんのゲーム機「wii」「wiiU」のバーチャルコンソールで配信されたり。
はたまた任天堂さんの大人気シリーズである「大乱闘スマッシュブラザーズX」なんかでも、アシストフィギュアとしてエキサイトバイクのキャラクターが登場したりするので、露出はそれなりに高かったと思います。
なので、ファミコン世代じゃなくっても「あれ、なんかこれ見たことある」と思った人もいるかもしれませんね。
システム
シンプルな横スクロール型のレースゲームです。コースごとに規定タイムがあり、そのタイム以内でゴールすると次のステージへ進むことができます。レース場は4レーンあり、上下に自由に移動しながら山あり障害物ありのコースを走り抜けます。
コントローラーのAボタンはアクセルです。
走り続けていると、画面中央下辺りの温度計メーターが右に増えていきます。Aボタンの加速では最大まで増えず、6割程度までしか増えません。
赤側が徐々に右に向かって増えていきます。
Bボタンはターボアクセルです。
Aボタンのアクセルよりも加速力が高いですが、温度計が急上昇します。こちらのアクセルだと温度計のメーターが最大まで達し、振り切ると「オーバーヒート」となってバイクが急停止します。発進可能まで約4秒ほどかかるので大幅なタイムロスに繋がってしまいます。
ステージはチャレンジレース1面と本選5面まであり、本選5面をクリアするとエンディングとはならず、また同じ5面を何度も繰り返します。ゲームオーバーになるまで続きます。つまりエンディングはありません。
このエキサイトバイクはモトクロスバイクを題材としたゲームとなっており、コースの至る所に障害物が設置してあります。
こういうような山だったり、
こんなに大きな山だったり、
こういう特殊な形をした障害物もあります。
山を越える時にバイクが空中にジャンプするのですが、このゲームでは十字キーでバイクにリーン(体重移動)をかける事が出来るので、着地態勢を整えることができます。
接地する際になるべく平行にしておかないと転倒してしまいます。
転倒した場合は、コース外にプレイヤーが弾き飛ばされてしまいます。
この時にA,Bボタンを連打することによってバイクに駆け寄るプレイヤーのスピードが上がります。
山系以外にも、色々な障害物があります。
左側は、もう見たまんまのジャンプ台です。山とは違い、大きくジャンプしやすいです。
右側はギャップと呼ばれるでっぱりです。通過する時にリーンでウイリー走行をして前輪を浮かせていないと転倒します。
ジャンプ系以外にも、まだあります。
左側はぬかるみです。この上を通過すると大きくスピードダウンします。
右側はクールゾーンです。通過すると温度計が初期状態に戻ります。なので積極的に触りに行きましょう。
こうしてみると、昨今のレースゲームであるような障害物が一通り揃ってるんですよね。これを1984年の、それほどテレビゲームが浸透していなかった時代に作っているというのは驚きです。
ゲームモード
ゲームを始めると、まず3つのモードを選択できます。
・ SELECTION A
・ SELECTION B
・ DESIGN
上2つのセレクションA,Bですが、いわゆるレースモードです。
Aだとプレイヤーのみの単独走行となります。
Bだとプレイヤー以外に3名のCPUが参加した状態でレースになります。
まず間違いなくBの方が面白いです。Aは練習みたいなものですね。
コースは全2周となっています。レーンは4つに分かれていますが、十字キー上下で自由にライン移動が出来ます。十字キーの左右はバイクのリーンに使います。十字キーを後ろに押すと前輪を上げてウイリー走行ができます。地上を走っているときは後輪を上げる事はできません。
このゲームでは、バイクに後ろから追突すると転倒してしまいます。
なので、敵が自分の後方に来たらチャンスです。進路妨害して転倒させましょう。
見た目はひどいしスポーツマンシップのカケラもないですが、勝つためには仕方のない事です。割り切りましょう。
各コースの規定タイム以内に入るなら、時間内はどれだけ転倒しても構いません。バイクが壊れたりプレイヤーが再起不能になったりもしないので、最初の方のステージでは焦らなくてもクリアできる程度の難易度です。気軽に遊べます。
デザインモードは、ゲームのコースを自分で好きなように作って走れるモードとなっています。俗にいうエディットモード、というと分かり易いかもしれません。
ゲーム内にある山や障害物を配置し、自分だけのオリジナルコースを作れます。このようなモードが1984年発売のファミコンソフトに入っていること自体が驚きです。すごいですよね。
しかも、僕は試したことはないのですが、ファミコン周辺機器のファミリーベーシック等を使用することでカセットテープにデザインモードで作ったコースを保存出来たりもするようです。本当にすごいですよね。
ゲームとしても面白いし、充実のモードを備えたエキサイトバイクでした。もしも興味がある方は、ぜひともプレイしてみてほしいですね。これで紹介を終えたいと思います。
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おまけ
エキサイトバイクは面白いですわね。……見なさいアトラ、わたくしお手製のコースを作りましたわ!
へえ、どんなですか?
……これ、エキサイトバイクプレイヤーが絶対に1回は作るやつじゃないですか……
ジャンプしまくりでスピード感と爽快感両方得られて楽しめるはずですわ!
プレイ中--------
なんなんですのコレは! 着地点がジャンプ台まみれでうまく着地出来なくて転倒ですのよ! どうなっているのかしら!
ぎっちり詰めるより、程よい配置の方がジャンプしやすいんですよねえ……
もう! 改良しますわよ!
先ほどの失敗を踏まえて程よい間隔で配置しましたわ。
はい、これくらいならいいんじゃないでしょうか。
プレイ中ーーーーーーーーーーー
うふふ、ジャンプも連続で出来てスピード感があっていいですわね!
今度はうまくできましたね!
それにしても、どんどんスピードも上がって、ジャンプ力も高くなってきましたわ! あら?
ジャンプが高すぎて画面下から出てきましたわ!
ゴロゴロガシャーン!
あっ!
画面下から突き出てくるほど高くジャンプすると、コースに触れた辺りで転倒するんですよねえ……。お嬢様もいっぱしのエキサイトバイクプレイヤーになりましたね!
な、なんなんですのコレは! ……面白いじゃない!(ニッコリ)
以上で終わりです。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
ついでにドット絵でバイクを描きました。
バイクといったらやっぱり金田のバイク!