「銀河の三人」ファミコンゲーム紹介第5回目
ファミコンのRPGで好きなもの(知っているもの)はなんですか?
と、聞かれたら殆どの人は「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」「マザー」辺りを上げられるかと思います。
やはりこれらは知名度や面白さ共に抜群で、昔からゲームユーザー間で不朽の名作として語り継がれてきています。現在まで続くシリーズとなっているものまであります。
上記のもの以外にも、皆に知られていないだけで、ファミコンのRPGはたくさんあるのです。その中でも僕の好きなファミコンRPGがあります。それが「銀河の三人」なのです。
このゲームは、1987年12月15日に任天堂さんから発売されたロールプレイングゲームです。販売は任天堂さんになっていますが、元々はエニックスさん(現スクウェア・エニックス)が開発、販売されたPC用ゲームの「地球戦士ライーザ」というゲームが元となっています。ファミコン版に移植する際に任天堂からの販売となったわけですね。
僕がこのゲームの存在を知るのは大人になってからでした。友人から「これ面白いよ」と譲り受けたソフトです。
カセットの表面に映る濃い顔立ちをした三人の圧がすごく、面白いと言われても半信半疑でしたが、いざプレイすると僕の価値観が間違っていたことが判明しました。今では胸を張ってオススメできるソフトとなりました。
ストーリー
ここでストーリーを紹介させていただきます。
『西暦2300年、人類は地球連邦国家を形成し永遠に戦争を放棄した。国境は消え去り、すべての人に愛と自由が与えられた。そして永遠の繁栄が今始まろうとしていた。しかし……。
外宇宙から現れた謎の文明ガルムの攻撃により、再び危機を迎える事になった。
『我々はガルム。我々の太陽は遥か昔に光を失い、ガルム星を捨てざるを得なかった。そして2億6千万光年の放浪の旅を続けてきた。そして今ここに第2のガルム星を見つけた。』
『その名は地球』
謎の文明ガルムの攻撃により、地球は危機に瀕した。人類の住むスペースコロニーはすべて破壊され、33億の人命が失われた。反旗を翻すべく地球軍が総力を結集させて行った木星作戦も失敗し、ほぼすべての戦力を失ってしまった。現在は地球の大気圏にシールドを張って、ガルム軍からの攻撃をなんとか耐えている状態である。このままでは敗北は免れない。
この状況下でガルム軍に勝利する方法は、宇宙に存在するガルム空母を破壊することしかない。地球軍総司令官の大森ダイチから、人類最後の希望として、主人公と相棒のブルーに人類初の宇宙空間跳躍移動が可能な人型戦闘ロボット「ライーザ」が託され、二人は地球を発つのだった』
どうですか、このストーリー。ファミコンソフトなのにとても重厚なものだと思いませんか。
キャラ紹介
取り合えずこのゲームのシステムを解説したいのですが、その前にこのゲームに登場するキャラクターの紹介をさせていただきます。
ミオ
主人公たちが乗る機体「ライーザ」に搭載されているコンピュータドールである彼女は、移動から戦闘まですべてのサポートをしてくれるナビゲーションキャラクターです。優しい雰囲気の彼女ですが、初めて出会った時から最後まで、ゲーム内で表情はこの一枚だけです。主人公たちが敵に敗北した時も、この表情です。まあロボットですからね。機械に感情は無いのだと思い知らされます。
ブルー
主人公の相棒です。お調子者ですが、ロボットの操縦技術は主人公と同等の技術を持っており、頼れる存在です。ムードメーカーでもある彼は、ゲーム中地球からの通信が度々あるのですが、その時その時で様々な反応を見せてくれます。ストーリーを通して、彼の懐の深さや男気のようなものも垣間見えます。とても親しめるキャラクターです。
リミ
うおーーーーっ!!! リミ!!! 俺だ!!! 結婚してくれ!!!
本作のヒロイン。ゲーム序盤で月内部でコールドスリープ状態で眠っていた少女。目覚めると、一部の記憶を失っていました。ガルム軍との戦いを続ける主人公達をサポートするために、特殊能力『ESP』を使って地球から援護をしてくれます。
ESPは他のゲームにおける魔法のようなものであり、敵への攻撃や味方へのサポートの役割を担います。地球から戦闘に参加している為、行動可能なのはESPのみです。表情豊かであり、ESPを使う際に色々な表情を見せてくれます。かわいい。
ゲームシステム
ゲームシステムは独特なものがあり、宇宙での移動にはまず目的地の惑星を指定します。すると到着までの距離(ちょうやく数)が示されるので、『ちょうやく』コマンドを何度も使って目的地に向かっていきます。一度のちょうやくで敵とのエンカウントがランダムで判定され、エンカウントした場合は戦闘開始になります。まあ簡単に言うとよくあるRPGの移動と思ってもらえればいいです。
戦闘はRPGらしいコマンド方式。このゲームの特徴的なものとして、攻撃関係の多くは全体攻撃です。通常攻撃だとしても、敵全員にダメージが入ります。敵の数が多ければダメージは少なく、敵の数が少なければダメージが高くなります。
それと、弾数に制限がある「ミサイル」があり、所持数に応じて一度に最大で10発撃てます。最大数のミサイルは火力が凄まじく、1ターンに相当なダメージを敵に与える事ができるので、敵を瞬殺したいときに用いたりします。
攻撃が全体攻撃という事もあり、RPGですのでたとえ行き詰ってもレベルを上げればなんとかなる、とお思いでしょう。そんなことはまったくありません。このゲームは難易度が非常に高いです。その理由を5つ説明します。
1、戦闘時の敵の数が多い
普通のRPGですと、一度の戦闘で敵の数は多くても4~5体くらいじゃないでしょうか。ですが、このゲームの敵の最大数は9体です。攻撃力の低い敵ならなんとかなるでしょうが、一度に9体の攻撃を受ければHP最大から運が悪いと死にます。
敵の数が少ないから安心、なんてこともありません。敵は仲間を呼びます。とにかく呼びます。呼ばれて出現した敵が仲間を呼びます。敵を倒しても倒しても完全に全滅させない限り仲間を呼び続けます。
2回行動する敵の場合、仲間を2回呼びます。
これは単純にヤバいです。戦闘開始時に敵が3体でも、3ターン後位にはMAX9体揃い踏みです。そのくせ2回行動ですよ? やられるに決まってますよね。
一撃で倒せるくらいの耐久力低い敵なら歓迎なんですけどね、経験値が稼げるので。しかし前述したように敵の数が多い程こちらの攻撃力が下がる仕様なので、どうしようもなくて逃げるしか選択肢がなくなります。逃げる事に失敗した時はご臨終です。
2、攻撃をよく外す
戦闘中に事故が起きる原因がコレです。こちらのHPも少ないけど、あと一撃で倒せる! というときに限って攻撃を外します。その後、死にます。このパターンはしょっちゅうあります。
このゲームは、戦闘が長引けば長引くほど状況が悪くなるので、敵にあまり行動されない内に短時間で倒してしまうことが重要になってきます。その為、回復優先よりかは攻撃優先になりがちです。よって死にます。
3、戦闘中、主人公かブルーのどちらかが死ぬと敗北になる
上記の通りです。なので敵の攻撃が運悪く片方に集中してしまうと死にます。
特に道中の長い惑星に潜る時なんかは大変です……。
4、リミのESPを使うためのMPの最大値が低い
とにかく敵から受けるダメージが辛いゲームなので、常にHPは回復していきたいところです。しかし回復役であるリミのMPは低いため、あまり頼る事は出来ません。
消費アイテムとして「エネルギー」というHP回復アイテムがあるにはあるのですが、所持できる最大数が9個です。回復量もさほど多くないアイテムなので、これとリミの回復ですべてを補わなくてはなりません。ダンジョンに潜る時なんかはHP管理に苦労します。
5、一部難しい謎解きがある
レトロゲームによくあるやつです。壁になっていて行き止まりかと思いきや通れる、みたいなやつです。それらしきヒントはありますが、明確には示していないので難しいと思います。
隠しアイテムが見えない通路の先にある、程度ならかわいいもんですが、レトロゲームはそこを通ることが必然というギミックに溢れてますからね。そういうところが難易度を跳ね上げる要因となります。
以上5つの要素も相まって、難しいゲームです。僕も何度ゲームオーバーになったか分かりません。
そういえば、このゲームは冒険の続きをするためには復活の呪文方式(パスワード)です。
なのでパスワードを間違えば宇宙のちりとなります。お気をつけください。
おわりに
以上でファミコンゲーム「銀河の三人」の紹介を終えたいと思います。
色々書きましたが、僕はこのゲームは好きです。理不尽な点が多々ありますが(特に戦闘時)、よくも悪くも緊張感をもってプレイできます。RPGではレベルを上げさえすれば余裕、なんてことの無いゲームです。
特にシナリオも凄いです。終盤からエンディングにかけては怒涛の展開を見せてくれます。ここでネタバレをしてしまうのはいけないと思うので伏せておきます。興味のある方はyoutubeなんかでプレイ動画を上げてる方がいると思うので、それをご覧になるのがいいかと思います。特にリミは本当に良い子なので、ぜひこの作品に触れてみてほしいですね。
このゲームのキャラクターたちの表情は味があるものばかりですね。僕も描くのが大変でした。
しかし、今でこそパソコンなんかで簡単に絵が描ける時代ですが、そういったものがなかった昔の方々は本当に大変だったと思います。こうやって自分で描くようになってから、深く思う様になりました。
それでは、この記事を読んでくださってありがとうございました。